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Industry & Business Community 2026-03-11 Source →

Anthropic、国防総省を提訴 - 自律兵器・国内監視拒否で「サプライチェーンリスク」指定を受け憲法違反を主張

AI開発企業Anthropicが3月9日、米国防総省を連邦裁判所に提訴しました。同社のCEO Dario Amodei氏が自律兵器や米国市民への監視目的でのAI使用を拒否したことを受け、国防総省が同社を「サプライチェーンリスク」に指定したことが発端です。

前例のない「サプライチェーンリスク」指定

サプライチェーンリスク指定は通常、外国の敵対勢力に対して適用される措置であり、米国の民間企業が指定を受けるのは極めて異例です。この指定により、国防総省と取引のあるすべての企業・機関は、Anthropicのモデルを使用していないことを証明する必要があります。Anthropicにとっては数十億ドル規模の収益に影響を及ぼす可能性があり、事実上の市場からの締め出しを意味します。

訴訟の背景には、Anthropicと国防総省との契約更新交渉の決裂があります。Anthropicは2つの「レッドライン」を設定していました。第一に、同社のAIツールを米国市民の大規模監視に使用しないこと。第二に、自律兵器への使用を禁止すること。これに対し国防総省は「すべての合法的な目的」での使用を求め、国家安全保障上の緊急事態において民間企業が使用方法を制限することは認められないと主張しました。

憲法違反を主張する訴訟内容

Anthropicはカリフォルニア州とワシントンD.C.の連邦裁判所に訴訟を提起し、国防総省の行動を「前例がなく違法」と主張しています。訴状では「憲法は、企業の保護された言論を罰するために政府がその巨大な権力を行使することを認めていない」と述べられています。ここでいう「保護された言論」とは、AI安全性に関するAnthropicの見解や、自社サービスの限界についての説明を指しています。

X上ではAnthropicの立場を支持する声が多く見られ、「AI企業が倫理的境界線を守ることは重要」との意見が上がっています。一方、Hacker Newsでは政府と民間AI企業の関係性について活発な議論が展開されており、国家安全保障と企業の自律性のバランスが焦点となっています。

この訴訟は、AI技術の軍事利用をめぐる企業と政府の対立が法廷に持ち込まれた最初の大規模ケースとなります。判決の行方は、AI業界全体の国防総省との関係に大きな影響を与えることになりそうです。

関連リンク

- [Anthropic sues Defense Department over supply-chain risk designation TechCrunch](https://techcrunch.com/2026/03/09/anthropic-sues-defense-department-over-supply-chain-risk-designation/)
- [Anthropic sues the Trump administration after it was designated a supply chain risk CNN Business](https://www.cnn.com/2026/03/09/tech/anthropic-sues-pentagon)
- [Anthropic sues the Trump administration over 'supply chain risk' label NPR](https://www.npr.org/2026/03/09/nx-s1-5742548/anthropic-pentagon-lawsuit-amodai-hegseth)