ミシガン大学医学部のVenkatesh L. Murthy博士らの研究チームが、標準的な10秒の心電図(ECG)から冠微小血管機能障害(CMVD)を数秒で診断できるAIモデルを開発しました。この研究はNEJM AIに掲載され、従来の侵襲的検査を不要にする可能性を示しています。
CMVDは心臓の微小血管に影響を与え、胸痛を引き起こし心臓発作のリスクを高める疾患ですが、冠動脈疾患と異なり大きな血管の閉塞がないため診断が難しく、救急外来でも見逃されがちです。確定診断には現在、PET心筋灌流イメージングという高度な検査が必要ですが、費用が高く設備のある施設も限られています。
研究チームは自己教師あり学習(SSL)アプローチを採用し、80万件以上のラベルなしECG波形でvision transformerモデルを事前学習させ、その後PETスキャンの小規模なラベル付きデータセットでファインチューニングしました。結果として、モデルは70〜80%の精度でCMVDを正確に検出し、他のAIモデルを上回る性能を達成しています。心筋血流予備能の障害検出ではAUROC 0.763、左室駆出率低下の検出では0.955という高い精度を記録しました。
X上では「医療AIの実用化が進んでいる好例」「患者負担の軽減に期待」との声が上がっています。Redditのr/healthcareでは「精度検証の必要性を指摘しつつも、方向性を評価する」というコメントが見られます。設備が限られた病院や非専門センターにおいて、このECG-AIモデルは簡便で費用対効果が高く非侵襲的な診断手段として、重篤な疾患の早期発見に貢献することが期待されています。