欧州議会は3月10日、生成AI企業にニュースコンテンツへの対価支払いを義務付ける法定ライセンス制度の提案を含むイニシアチブレポートを採決し、賛成460票、反対71票、棄権88票の大差で可決しました。報告書の起草者はアクセル・フォス議員で、AI時代における著作権保護の枠組みを大きく見直す内容となっています。
この報告書の核心は、生成AIプロバイダーが著作権で保護されたコンテンツを使用する際のライセンス制度の創設です。コンテンツ作成者は機械読み取り可能な信号を用いてオプトアウトでき、その信号は欧州の集中登録簿に記録されます。欧州議会は欧州委員会に対し、生成AIプロバイダーが検索結果などで報道機関のコンテンツを集約・配信する場合の報酬義務を「直ちに」導入するよう求めています。Hacker Newsでは、著作権とAI学習の関係について継続的な議論が行われており、オーストラリアやカナダなど他国でも同様の動きがあるとの指摘が見られます。
報告書はさらに、AIシステムによる報道機関の利用がメディアの多元性を脅かしていると指摘し、報道・ニュースメディア部門への特別な保護を求めています。AI学習における透明性の要求や、権利者の交渉力を回復させるための実効的なライセンス枠組みの確立も盛り込まれており、集団管理団体の役割も認められています。AI Act の完全施行が2026年8月に迫る中、コンテンツ産業とテック企業の間での緊張は一層高まりそうです。