米製薬大手Eli Lillyが、製薬業界で最も強力なAIスーパーコンピュータ「LillyPod」の稼働を開始しました。2026年2月27日にインディアナポリスでお披露目されたこのシステムは、1,016基のNVIDIA Blackwell Ultra GPUを搭載し、9,000ペタフロップス以上のAI性能を発揮します。
LillyPodはNVIDIA DGX SuperPODをベースとした世界初のDGX B300システムで、わずか4カ月で組み立てられました。700テラバイトのゲノミクスデータを290テラバイト以上の高帯域GPUメモリで処理し、約5,000の内部接続には450キロ以上の光ファイバーケーブルが使用されています。同社のChief AI OfficerであるThomas Fuchs氏は「計算は生物学の核心にある。スケールで計算できることは絶対に必要だ」と述べています。
従来の創薬では、1つのターゲットに対して年間約2,000種類の分子しか検証できませんでした。LillyPodはこの制約を打ち破り、数十億の分子仮説を並列で探索する「ドライラボ」を実現します。具体的には、大規模タンパク質拡散モデルの訓練、低分子グラフニューラルネットワークの開発、ゲノミクス基盤モデルの構築などに活用されます。同社は10年かかる創薬プロセスの半減を目標に掲げています。X上では「製薬業界のAI軍拡競争の象徴」との評価があり、Pfizer、Sanofiも同様にNVIDIAとの提携を強化しているとの報道もあります。Hacker Newsでは「ITインフラではなく新しい研究機器という位置づけ」に注目が集まり、年間2,000件の実験が数十億の仮説検証に変わる可能性への期待が語られています。
Lillyは2030年までに100%再生可能エネルギーでの運用を目指しており、効率的な液冷システムを採用しています。さらに、自社モデルとNVIDIA BioNeMoオープン基盤モデルを組み合わせた「TuneLab」プラットフォームを通じて、バイオテック企業とのフェデレーテッドラーニングも計画しています。両社は今後5年間で人材、インフラ、計算資源に最大10億ドルを投資するAI共同イノベーションラボの設立も発表しており、製薬業界におけるAI活用の新たな基準を打ち立てようとしています。
| - [Now Live: Lilly AI Factory for Pharmaceutical Discovery and Development | NVIDIA Blog](https://blogs.nvidia.com/blog/lilly-ai-factory-live/) |
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| - [Lilly Deploys World's Largest, Most Powerful AI Factory for Drug Discovery | NVIDIA Blog](https://blogs.nvidia.com/blog/lilly-ai-factory-nvidia-blackwell-dgx-superpod/) |
| - [Eli Lilly launches LillyPod, pharma's most powerful supercomputer | R&D World](https://www.rdworldonline.com/eli-lillys-lillypod-supercomputer-goes-live-with-1016-nvidia-blackwell-gpus/) |