← 2026-03-18
Research Community 2026-03-18 Source →

100年来の物理学難題を秒単位で解決、ロスアラモス国立研究所の「THOR AI」が材料科学に革新をもたらす

ロスアラモス国立研究所とニューメキシコ大学の研究者らが開発したAIフレームワーク「THOR(Tensors for High-dimensional Object Representation)」が、材料科学における100年来の難問「配置積分(configurational integral)」の計算を、従来比400倍以上の速度で解決することに成功しました。

配置積分は、物質中の粒子間相互作用を捉える数学的計算であり、特に極端な圧力下での物質挙動や相転移を予測するために不可欠です。しかし、その計算は膨大な次元の数学的課題であり、従来はスーパーコンピュータで数千時間を要することもありました。THOR AIは、テンソルネットワークアルゴリズムを活用し、高次元データを「テンソルトレイン相互補間」として連鎖した小さなコンポーネントに分解することで、この問題を数秒で解けるようにしています。

テストでは、銅、結晶状態の高圧アルゴン、スズの固体-固体相転移など、複雑な材料の熱力学的挙動を正確に再現。X上では「週単位のスパコン計算が秒単位に」という革新性に注目が集まり、「材料科学・化学への波及効果に期待」との声が上がっています。Hacker Newsでは「テンソルネットワークと機械学習の組み合わせが新しい」「第一原理計算の新時代到来」と評価されています。

研究チームはTHOR AIをGitHub上でオープンソースとして公開しており、他の研究者がこの手法を活用できるようにしています。この技術は、冶金学から新素材開発まで、材料科学の広範な分野に革新をもたらす可能性があります。

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