← 2026-03-23
Industry & Business Community 2026-03-23 Source →

Meta退社のYann LeCun氏、AMI Labsで欧州史上最大の10.3億ドルシードラウンドを達成

チューリング賞受賞者のYann LeCun氏が2025年にMetaを退社して設立したAMI Labsが、10.3億ドル(約1,550億円)のシード資金調達を完了しました。プレマネー評価額は35億ドルで、欧州スタートアップ史上最大のシードラウンドとなります。

AMI Labsが取り組むのは「ワールドモデル」と呼ばれるAIアプローチです。現在主流の大規模言語モデル(LLM)がテキストデータから学習するのに対し、ワールドモデルは現実世界そのものから学習します。技術的基盤となるのは、LeCun氏が2022年に提唱したJEPA(Joint Embedding Predictive Architecture)アーキテクチャで、赤ちゃんが重力を観察から学ぶように、世界の抽象的な表現を学習し、予測不可能な細部を無視しながら根本的な法則を理解するという仕組みです。投資家陣にはJeff Bezos氏、NVIDIA、Samsung、Temasekが名を連ねています。

CEOのAlex LeBrun氏によると、ワールドモデル技術を製品に応用できるようになるまで「約1年」を見込んでおり、ヘルスケア、ロボティクス、ウェアラブル、産業オートメーションの4分野を優先ターゲットとしています。拠点はパリ本社のほか、LeCun氏が教鞭を執るニューヨーク大学、モントリオール、シンガポールの4都市に展開予定です。X上では「LeCun氏がついに自らのビジョンを証明するチャンスを得た」と支持者が歓迎する一方、Hacker Newsでは「ワールドモデルがLLMエージェントに勝てるか」という技術的議論が活発化しています。

LLM一辺倒だったAI業界に、まったく異なるアプローチで挑むAMI Labs。1年後に示される成果が、次世代AIの方向性を大きく左右する可能性があります。

関連リンク

- [Yann LeCun's AMI Labs raises $1.03B to build world models TechCrunch](https://techcrunch.com/2026/03/09/yann-lecuns-ami-labs-raises-1-03-billion-to-build-world-models/)
- [Yann LeCun's new venture is a contrarian bet against large language models MIT Technology Review](https://www.technologyreview.com/2026/01/22/1131661/yann-lecuns-new-venture-ami-labs/)