米製薬大手Eli Lillyは、NVIDIA Blackwell Ultra GPU 1,016基を搭載したAIスーパーコンピュータ「LillyPod」の稼働を開始したと発表しました。9,000ペタフロップス超のAI性能を持ち、製薬会社が完全に所有・運用するAI工場としては世界最強となります。わずか4ヶ月で組み立てが完了し、インディアナポリスのキャンパスで稼働しています。
LillyPodはNVIDIA DGX SuperPODとDGX B300システムを採用した世界初の事例で、ゲノム解析、分子設計、単一細胞生物学、画像解析、製造オペレーションなど幅広いワークロードに対応します。従来の実験室では年間2,000程度の分子仮説しかテストできませんでしたが、LillyPodでは数十億の化学的可能性を並列シミュレーションで探索できるようになり、従来10年以上かかっていた創薬期間を半減させることを目指しています。Eli LillyとNVIDIAは1月12日のJPM Healthcare Conferenceで、人材・インフラ・コンピューティングに5年間で最大10億ドルを投資するAI共同イノベーション研究所の設立も発表していました。
Hacker Newsでは「従来の実験室では年間2,000の分子仮説しかテストできないが、LillyPodでは数十億を並列シミュレーション可能」と、その処理能力の桁違いの向上が話題になっています。Xでは「TuneLab経由で他社にも一部計算資源を公開予定」との情報もあり、製薬業界全体でのAI活用を促進する可能性も示唆されています。持続可能性の面では、2030年までに100%再生可能エネルギーでの運用を目指し、効率的な液体冷却システムを採用してエネルギー負荷を最小化しているとのことです。
製薬業界におけるAI投資の規模と本気度を示す象徴的な事例であり、創薬のスピードと効率を根本から変える可能性を秘めています。