Anthropicは3月2日、AIアシスタント「Claude」のメモリ機能を無料プラン全ユーザーに開放しました。これまで月額20ドルの有料プランでのみ利用可能だった会話間のコンテキスト保持機能が、無料で使えるようになります。同時に、ChatGPTやGeminiからの履歴インポートツールも導入され、競合からの乗り換えを積極的に促す戦略を打ち出しています。
メモリ機能は、過去の会話内容をClaudeが記憶し、ユーザーの好みや作業スタイルを学習していく仕組みです。インポート機能は、Claudeの設定画面から専用プロンプトをコピーし、他のチャットボットに貼り付けるだけで、保存されたメモリ、個人情報、プロジェクト詳細を構造化データとして出力できます。これにより、乗り換え時の再設定の手間が大幅に軽減されます。
この発表の効果は数字に如実に表れています。無料プランのサインアップ数は年初から60%増加し、Pro・Maxプランの有料会員数は2倍に拡大。App StoreのiOS無料アプリランキングでは、通常ChatGPTが占める首位をClaudeが奪取しました。X(旧Twitter)では「無料プランのサインアップが4倍に急増」との報告も上がっており、ChatGPTからの乗り換え組の増加が話題となっています。Redditでは「Claude 5への布石ではないか」との分析も見られ、将来的にメモリがモデルコアに組み込まれる可能性を指摘する声もあります。一方、Hacker Newsではプライバシー懸念との両立について議論が交わされています。
ChatGPTが広告導入を検討する中、Anthropicは「無料で高機能」という差別化戦略で攻勢をかけています。AI市場の競争が激化する中、ユーザー獲得競争は新たな局面を迎えています。