← 2026-03-29
Research Community 2026-03-29 Source →

AI「THOR」が100年来の物理学問題を秒単位で解決、従来比400倍以上の高速化

ニューメキシコ大学とロスアラモス国立研究所の研究チームは、テンソルネットワーク数学と機械学習を組み合わせた新フレームワーク「THOR」を発表しました。材料内部での原子の挙動を計算するのに従来は数週間のスーパーコンピュータ計算が必要でしたが、THORはこれを秒単位で完了させます。

THOR(Tensors for High-dimensional Object Representation)は、極めて大規模な数学計算である「配置積分」と材料解析に必要な偏微分方程式を効率的に処理します。この配置積分は粒子間相互作用を捉える計算ですが、従来は「次元の呪い」と呼ばれる問題に阻まれていました。原子数が増えるにつれて計算の複雑さが指数関数的に増大し、数千次元にわたる古典的な積分計算は宇宙の年齢よりも長い計算時間を必要とする場合もありました。

研究チームは「テンソルトレイン交差補間」という数学的手法を用いて圧縮を実現し、材料内の結晶対称性を検出する特殊バージョンを開発することで計算量を劇的に削減しました。銅などの金属、極高圧下のアルゴン(結晶状態)、スズの複雑な固体-固体相転移でテストした結果、THORはロスアラモスのシミュレーションと同等の精度を維持しながら400倍以上の速度を達成しました。

Hacker Newsでは「第一原理計算の革命」との評価が上がっており、材料科学や創薬への応用に期待が集まっています。Redditでは従来のシミュレーションや近似計算を完全に置き換える可能性に注目が集まっており、量子力学的な計算を高速化することで新材料の発見や医薬品開発が加速することが期待されています。

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