米国GSA(一般調達局)が3月6日に提案したAI調達条項「GSAR 552.239-7001」に対し、業界団体が4月3日のパブリックコメント締め切り直前に一斉に反発の声を上げました。問題視されているのは主に3点で、(1)連邦調達において「米国AIシステム限定」を義務付ける要件、(2)カスタム開発されたAIシステムへの政府所有権の自動付与、(3)調達したAIを「いかなる合法的政府目的にも」使用できるという包括的許可条項です。
この草案が通れば、Alibaba CloudのQwenやDeepSeekなど中国系モデルを利用している企業は事実上、連邦政府との契約機会を失うことになります。Hacker Newsでは「外国AIシステム禁止はQwen・DeepSeekを使う企業が連邦契約を失うことを意味する」という実務的な影響分析が注目を集めました。一方で中国との技術競争という文脈では「国産AI優遇は安全保障上の合理的判断」という擁護意見も少なくなく、X(旧Twitter)上でも賛否が真っ向から対立しています。
特に懸念が大きいのはIP条項です。政府向けにカスタム開発したAIモデルの所有権が自動的に政府に移転するとなれば、スタートアップやベンチャーキャピタルにとって連邦市場参入のインセンティブが著しく損なわれます。「政府データでAIを訓練させないのは当然」という支持意見もある一方、知財の扱いが不透明なままでは長期的に米国AI産業の競争力を削ぐとの見方も根強くあります。調達政策がAI産業の構造に直接影響を与えうる事例として、業界全体が注視しています。