← 2026-04-07
Industry & Business Community 2026-04-07 Source →

米政府がAI調達規定を大幅改訂——カスタムモデルの「政府所有権」条項にOpenAI・Microsoftが強く反発

米一般調達局(GSA: General Services Administration)が提案したAI調達規定の改訂案が業界に波紋を広げています。改訂案には、政府向けにカスタム開発されたAIシステムについて、学習データとモデルの所有権を政府が持つとする条項が含まれており、OpenAI、Microsoft、IBMを含む業界団体が「民間投資の萎縮につながる」として強く反発しています。

Nextgov誌によると、GSAの改訂案は政府調達における透明性・安全性の確保を主目的としており、外国企業製AIの排除条項の明確化や、政府データを学習させたモデルの二次利用制限も含まれています。政府機関が民間AIベンダーに依存するリスクを減らし、将来的に調達先を変更できる柔軟性を確保する狙いがあるとみられています。一方で業界側は、「モデルの所有権は開発コストに対する正当な見返りであり、政府が無条件に取得できるとすれば誰も政府向け開発に投資しなくなる」と主張しています。

X上では政府によるAIモデル所有権の主張に対してベンダーから強い反発が表明されており、「政府がIPを巻き上げれば民間投資が縮小し、最終的に政府自身が不利益を被る」との懸念が広がりました。特に中小AI企業にとっては、政府プロジェクトへの参入障壁が大幅に上がるとの見方も出ています。

知的財産権をめぐる政府とベンダーの摩擦は、実はAI以前から官公庁向けソフトウェア開発で繰り返されてきた問題でもあります。AIの場合は「モデルの価値がデータ×アーキテクチャ×ファインチューニング」という複合要素から生まれることから、所有権の線引きが従来のソフトウェア調達よりもはるかに複雑になります。GSAは現在パブリックコメントを募集しており、最終規定の内容が今後の連邦AI調達の方向性を大きく左右しそうです。

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