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DeepSeek V4、4月末にリリース間近 — 1兆パラメータ・華為Ascend 950PRチップ搭載でSWE-bench 81%・NVIDIA依存を脱却

Reutersの報道などによると、中国AI企業DeepSeekが開発する次世代モデル「DeepSeek V4」が4月末の2週間以内にリリースされる見込みであることが判明しました。総パラメータ数は約1兆(1 trillion)に達するMixture-of-Experts(MoE)構造で、実際の推論時には約37Bパラメータが動作する設計です。最大の注目点は、米NVIDIAの半導体に依存せず、中国・華為(Huawei)のAscend 950PRチップで動作する初のフロンティアモデルである点で、地政学的な意義も注目されています。

NVIDIAを使わない初の最先端モデル

TrendForceの分析によれば、DeepSeekはNVIDIAにDeepSeek V4への早期アクセスを意図的に提供せず、その機会を中国半導体メーカーに独占的に与えました。これにより、Alibaba・ByteDance・Tencentが華為Ascend 950PRチップを数十万台規模で発注しており、価格は数週間で20%上昇しているとされています。脱NVIDIA・中国AI半導体の自立という文脈での意義は大きく、Hacker Newsでは「2026年最重要リリースになりうる」という評価が相次いでいます。

モデルスペックについて、NxCodeの技術サマリーによると、DeepSeek V4は1Mトークンのコンテキストウィンドウ(「Engramコンディショナルメモリ」と呼ばれる独自設計)、ネイティブなマルチモーダル生成(テキスト・画像・動画)に対応し、ソフトウェアエンジニアリングタスクのベンチマーク「SWE-bench」で81%を主張しています。Apache 2.0ライセンスでのオープンソース公開が予定されており、研究・商用利用ともに無償で利用できる見込みです。

X(旧Twitter)では「NVIDIA不要の時代が来た」「中国AI独立の証明」という期待の一方、「華為チップの実性能はまだ未検証」という懐疑論も交錯しています。r/LocalLLaMAでは「V3.2から4ヶ月以上待ったが価値があった」という期待と、オープンソース公開の継続への安堵が支配的です。なお同モデルは既に2度の延期を経ており、実際のリリース時期については引き続き注目が必要です。

脱NVIDIA・OSSの組み合わせが問う半導体地政学

DeepSeek V4のリリースが持つ意味はモデル性能だけにとどまりません。米国による半導体輸出規制が続く状況のなか、最先端水準のモデルが中国産チップで動作するとすれば、「GPU覇権がAI覇権を決する」という従来の常識を揺るがす可能性があります。また、オープンソース公開によって世界中の研究者や企業がV4を自由に活用・改良できるようになれば、米中AI競争の構図そのものが変わりかねません。リリース後のベンチマーク検証や実機での評価が、今後の議論の焦点となりそうです。

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