トランプ政権のAI・暗号通貨担当顧問を務めるDavid Sacks氏らが支援する政治団体「Innovation Council Action」が、2026年米国中間選挙に向けて1億ドル以上を支出する計画を表明しました。AI規制に反対する候補者を支持し、AI開発促進派の議員を増やすことが目的で、全米規模でのAIロビー活動としては過去最大規模となります。AI産業と規制推進派の対立が政治の場で直接対決する構図が鮮明になってきました。
Axiosによると、Innovation Council Actionを率いるのはトランプ前政権の副首席補佐官を務めたTaylor Budowich氏。同団体はトランプ大統領のAIアジェンダを支持する議員に応じた「スコアカード」を作成し、選挙資金配分の指標として活用する方針です。重点活動は2点で、AIの規制緩和を支持する候補者の支援と、データセンターなどAIインフラ整備を推進する候補者のバックアップです。トランプ政権は連邦政府が州のAI規制を上書きする「プリエンプション」条項を含む国家AI立法フレームワークを既に議会に送付しており、Innovation Council Actionはその政治的後ろ盾となる人材を議会に送り込む狙いがあります。
X(旧Twitter)では「AI企業が民主主義のルール作りまで影響しようとしている」という批判と「技術を理解する人が政策に関与すべき」という擁護論が真っ向から対立しました。Redditのr/politicsでは「1億ドルのロビー資金は誰のためか」という批判的スレが人気を集め、市民と産業界の利害の乖離を指摘する声が目立っています。Hacker Newsでは「危険な前例」「イノベーション保護のため不可避」と意見が鋭く分かれており、シリコンバレーと民主主義の関係を問い直す議論に発展しています。
なお今回の1億ドルはAI関連PAC(政治活動委員会)の支出の一部に過ぎず、AI産業全体の中間選挙向け政治資金は3億ドルを超えるとも報じられています。AI規制の枠組みを巡る政治的な攻防は、技術の問題を超えて米国の民主主義そのものを問う局面に入っています。