Metaは初の独自プロプライエタリAIモデル「Muse Spark」を発表しました。Alexandr Wang率いる新組織Meta Superintelligence Labsが開発したネイティブマルチモーダル推論モデルで、Meta AI・Facebook・Instagram・WhatsAppなど同社の主要プラットフォームへの順次統合が予定されています。LlamaシリーズでオープンソースAIの旗手として知られてきたMetaが、初めてクローズドモデルに踏み切るという方針転換は業界に大きな波紋を投じています。
Meta Superintelligence Labsは、Scale AI創業者として著名なAlexandr Wangが率いており、Metaが約143億ドルを投じたプロジェクトの成果として位置づけられています。Muse Sparkはマルチモーダル推論に重点を置いた設計ですが、Metaはコーディング能力では競合他社に遅れを取っていることを自社で認めており、この点が市場からの厳しい評価に繋がっています。
オープンソースコミュニティからの反発は予想どおり激しいものでした。X上では「Llamaコミュニティへの背信」という批判が拡散し、r/LocalLLaMAでは「MetaがオープンソースAIを捨てた」という落胆の声が圧倒的多数を占めています。Hacker Newsでは「143億ドルを投じながら最先端ではないと自社が認めるモデルをリリース」するという矛盾への辛辣なコメントが集中しました。一方でr/artificialでは、広告ビジネスとAI投資回収を両立させるためのビジネス戦略上の合理性を指摘する分析もあり、純粋な技術評価とビジネス評価で見方が分かれています。
オープンソースを掲げることで規制当局や研究コミュニティとの関係を構築してきたMetaにとって、このクローズド化は短期的な競争上の判断と長期的な信頼の消耗という二律背反を孕んでいます。Muse Sparkがフラッグシップ製品群に統合されたとき、その実力がLlamaブランドへの信頼を取り戻せるかどうかが今後の焦点となりそうです。