NVIDIAが量子コンピューターの実用化を加速することを目的としたオープンAIモデルファミリー「Ising」を発表しました。量子プロセッサのキャリブレーション(校正)と量子エラー補正のデコーディングに特化したモデルで、従来手法と比較してデコーディング処理を2.5倍高速化し、精度を3倍向上させることが実証されています。
量子コンピューターの実用化を妨げる最大の課題の一つが「量子エラー」です。量子ビット(qubit)は環境ノイズに極めて敏感で、計算中に誤りが発生しやすいため、これを高速かつ正確に検出・訂正するデコーダーが必要です。IsingモデルはこのデコーダーにAIを活用するアプローチで、NVIDIAが「世界初の量子コンピューター向けオープンAIモデル」と位置付けています。名称の「Ising」は統計力学の基礎モデルである「イジングモデル」に由来しています。
Hacker Newsでは「量子AIの融合」という切り口で関心を集めており、「これはGPUメーカーが量子時代への橋渡しを本格的に進める宣言だ」という見方も出ています。IBMやGoogleも量子エラー補正の研究を積極的に進めており、NVIDIA参入によって量子ソフトウェアスタック全体の競争が一段と活性化しそうです。オープンソースとして提供される点は、量子コンピューティング研究コミュニティへの貢献としても評価されています。