OpenAIは4月27日、Microsoftとの収益分配協定を改定し、Revenue Share(収益分配)に上限を設定することで合意したと報じられています。CNBCによると、この合意はOpenAIがIPO(新規株式公開)準備を進める中で独立性を高めるための重要な一手であり、2019年以来続いてきた両社の提携関係を実質的に再定義するものです。Microsoftはこれまでに計130億ドル超を投資しており、その回収モデルが大きく変わることになります。
OpenAIとMicrosoftの従来の協定では、MicrosoftがAzureクラウドの優先的な利用権を持ち、収益の一定割合を継続的に受け取る構造になっていました。この「永続的な分配」モデルはOpenAIが非営利から営利構造へ移行した際に設計されたもので、Microsoftへの依存度が高く、上場後の株主価値にも影響を与えるとして問題視されていました。
今回の合意で設定された上限の具体的な数字は公表されていませんが、Reuters等の報道によるとMicrosoftへの分配が一定の累積金額に達した時点で比率が低下または消滅する仕組みが導入されるとみられています。これにより、OpenAIの収益が増大するにつれてMicrosoftへの流出分が減少し、利益率が改善されるため、IPO時の企業評価に有利に働くと分析されています。
X上では「OpenAIのIPO前にMicrosoftとの関係を清算しつつある——Microsoftへの依存を下げることが優先事項」という見方が多数を占めました。r/investingでは「Revenue ShareキャップはOpenAIにとって有利だがMicrosoftにとっては長期的にリターンが制限される懸念がある」という投資家目線の分析が活発に議論され、Hacker Newsでは「Microsoftが初期投資で得た権利をIPO前に切り離すことの意味は大きい——今後の競合関係がどうなるかが見物」というコメントが高評価を得ました。
OpenAIは現在、年間売上高400億ドル超を目標に掲げており、IPO時の評価額は2,500億〜3,000億ドル規模とも予測されています。Microsoftとの関係整理は、投資家に対してOpenAIが独立した事業体として持続可能な成長軌道を歩めることを示すためにも不可欠な手続きと言えます。一方でMicrosoftはAzureとのインテグレーションによって引き続き恩恵を受けるものとみられており、完全な決別ではなく「適切な距離感の再設定」というのが両社の思惑のようです。