中国の大規模言語モデル企業Zhipu AIが公開したGLM-4.7は、NVIDIAのGPUを一切使用せずにファーウェイのAscend AIシリコンのみで学習したオープンモデルです。報告された幻覚率(ハルシネーション率)は1.2%で、フロンティアラボ比較で最低水準とされており、米中半導体規制下における中国の独自AI開発能力の成熟を示す事例として国際的な注目を集めています。
GLM(General Language Model)シリーズはChatGLMとして知られ、Zhipu AIが清華大学と共同開発してきたモデル系統です。GLM-4.7でNVIDIAのH100やA100を使わず、ファーウェイのAscend 910シリーズのみで大規模な学習を完了させたことは、2022年以降に段階的に強化された米国の対中半導体輸出規制の実効性に疑問を投げかける成果です。幻覚率1.2%という数値は、モデルが事実と異なる内容を生成する割合を示すものですが、測定手法の詳細が重要なため、独立した再現検証が待たれます。
X(旧Twitter)では「中国がNVIDIAなしで世界最高水準のモデルを作れることを証明した」という解釈が広まり、半導体規制の実効性への疑問が呈されました。r/MachineLearningでは「幻覚率の測定方法が重要」という懐疑的コメントと、ファーウェイAscendの実際の性能への関心が交錯しており、Hacker Newsでは「中国の独自計算基盤での大規模学習が実用段階に入ったことの地政学的意味」について深い議論が展開されています。
米国のチップ規制はNVIDIAの輸出を制限することでAI開発の競争力に差をつける狙いがありましたが、Ascend上でのGLM-4.7の成功は中国が代替エコシステムの構築に一定の成果を上げていることを示しています。NVIDIAのCUDAエコシステムに匹敵する開発効率が確保できるかどうかは依然として疑問が残りますが、長期的には「AI計算インフラの地政学的分断」が現実のものとなる可能性が高まっています。