スウェーデン発のリーガルAI(法律特化型AI)スタートアップ「Legora」が、NvidiaのベンチャーアームNVenturesをリードインベスターとするシリーズD拡張ラウンドで5,000万ドルを追加調達し、評価額が56億ドルに達しました。2023年創業ながらARR(年間経常収益)は1億ドルを超えており、同じリーガルAI市場を争う競合「Harvey」との市場覇権争いが一段と激しくなっています。
X上ではNvidiaのこの出資が「チップメーカーによるソフトウェアのバリューチェーンへの垂直統合」として注目されています。これまでNvidiaはモデル訓練・推論インフラの提供者として間接的にAIアプリケーション層の成長から恩恵を受けてきましたが、特定のバーティカルSaaS(業種特化型サービス)に直接投資するのはリーガルテックが初めてとみられます。「チップ会社がソフトウェアのどこまで垂直統合するつもりか」という問いは、Nvidiaの中長期戦略を読み解く上で重要な伏線となりそうです。
Hacker Newsでは「ジュード・ロウ起用の広告で話題先行の印象だったが、ARR1億ドルは本物」という評価と、大手法律事務所が導入する際のクライアントデータのプライバシー問題を懸念するコメントが並んでいます。弁護士・法律事務所は依頼者との守秘義務(弁護士秘匿特権)を負うため、AIツールへのデータ入力には慎重な姿勢が業界内に根強く残っています。Legoraが今後どのようなデータ管理・隔離の仕組みを提示できるかが、大手事務所への本格普及を左右するポイントになりそうです。