米国防総省(ペンタゴン)がMicrosoft、Google、xAIなど8社のAIツールを機密ネットワークで利用する契約を締結したことが明らかになりました。CNNの報道によると、Claude Mythosのサイバーセキュリティ能力をめぐるリスク評価の結果としてAnthropicはこの契約から除外された形となっています。一方でAxiosは、NSA(国家安全保障局)がAnthropicのMythosを別ルートで利用しているとも報じており、AI軍事利用をめぐる複雑な政治状況が浮き彫りになっています。
ペンタゴンのAI契約体制は、今年に入ってから急速に変化しています。AnthropicがClaude Mythosを発表し、既知の脆弱性に対して83%以上のケースで動作するエクスプロイトを初回から生成できることが判明したことで、トランプ政権はAI規制の姿勢を転換。商務省傘下のCAISIがGoogle DeepMind、Microsoft、xAIと事前評価協定を締結する一方、Anthropicはブラックリスト入りとなりました。今回の契約はその枠組みの延長線上にあり、機密環境に持ち込めるAIモデルの「承認リスト」が明確化されつつあります。
X上では「NSAがブラックリスト企業のモデルを使っているというリークは政府の二枚舌」という批判が多く拡散し、AnthropicとトランプやNSAとの複雑な関係への憶測が広がりました。Reddit(r/geopolitics)では「AI企業の軍事契約が今後の地政学的競争を左右する」という長期的視点の議論が展開され、中国との技術競争との関連で語られることが多くありました。Hacker Newsでは「政府のAI調達における透明性の欠如」を批判するコメントが目立ち、安全保障評価なしに機密ネットワークへのAI導入を進める動きへの懸念が表明されました。
AIモデルの軍事利用において「誰が使えて誰が使えないか」という線引きが国家安全保障の論理によって引かれ始めている現状は、AI企業の事業戦略にも直接影響を与えます。政府調達から除外されることの事業上のコストは小さくなく、同時にNSAが非公式ルートで利用するという二重構造の存在は、公式の「安全承認」プロセスそのものの実効性に疑問を投げかけています。