Microsoftが5月7日に公開した「2026年グローバルAI普及レポート」によると、職場でAIを活用する労働年齢人口の割合が16.3%から17.8%へと拡大しました。同レポートで特に注目を集めているのが、米国のソフトウェア開発者雇用数が220万人と前年比8.5%増の過去最高を記録したという数字で、「AIは人間の仕事を奪う」という言説に対するデータに基づく反証として機能しています。
Microsoftの調査対象となった企業・労働者のデータは、現時点ではAIが人間労働者の代替ではなく補完として機能していることを示しています。ソフトウェア開発の文脈では、GitHub CopilotをはじめとするAIコーディング補助ツールの普及が開発者の生産性を押し上げており、むしろ「より少ない人数でより多くのコードを書ける」ことで開発プロジェクト全体の規模が拡大し、新規採用需要を生んでいるとみられます。
Redditでは「開発者雇用が増えているのは意外。AIが仕事を奪うという話はどこへ行った?」という驚きの反応と「まだ序盤。本格的な自動化はこれから」という反論が対立しています。X(旧Twitter)では「AI補完で人間の生産性が上がっている段階。本格的な自動化はこれから」という識者コメントが多く引用され、楽観論と慎重論が混在しています。
世界の労働年齢人口(約40億人)の17.8%は、約7億1200万人にあたります。この数字はまだAI活用が「マジョリティ」には達していないことを示す一方、2023年以降の急速な伸びを考えると数年以内に過半数を超える可能性も現実的です。ただし普及率の定義(週次利用など)や地域ごとのばらつき次第で解釈は大きく変わるため、慎重に読む必要があります。いずれにせよ、AIツールを日常的に使いこなせる労働者と使えない労働者の間の「生産性格差」は今後さらに拡大することが予想されており、企業・教育機関双方でのリスキリング(学び直し)支援の重要性が増しています。