従来AI規制に反対してきたトランプ政権が方針を大きく転換し、高度AIモデルの市場投入前に政府による審査を義務化する大統領令の策定を検討していることがFortuneの報道で明らかになりました。AnthropicのサイバーセキュリティAI「Mythos」が政策転換の直接の引き金となったとされています。
Fortuneによると、政府が設置したCAISI(AI安全性評価機関)はすでにGoogle DeepMind・Microsoft・xAIとの評価協定を締結済みです。検討中の大統領令では、特定の能力(サイバー攻撃支援・大量破壊兵器の設計補助など)を持つ可能性があるAIモデルを市場に出す前に、CAISIによる評価と承認を義務付ける内容が含まれる見通しです。Mythosの場合と同様に、悪用可能なAIを特定パートナーに限定するだけでは不十分との判断が、政策転換の根底にあるとみられます。
X(旧Twitter)では「規制反対の旗手だったトランプ政権がAI安全派に転向した」という驚きの声が広がりました。Redditのr/politicsでは「Mythos効果が政策を180度変えた」という議論が活発化しています。しかしHacker Newsでは、規制の具体的な要件や審査基準が不透明な現状において「イノベーションへの悪影響を懸念する声」が多数寄せられており、「誰が何を基準に審査するのか」という根本的な問いに答えが出ていないことへの不満も見られます。AI能力の急速な向上と、それに伴う社会的リスクの均衡をどう取るか——政策立案の実務がかつてなく難しい局面に入りつつあります。