ウェーブレット分解(信号をスケール別に分離する数学的手法)とニューラルネットワークを組み合わせたAIシステム「VARnet」が、NASAのNEOWISE(近赤外線サーベイ探査衛星)ミッションが収集した200テラバイトの赤外線観測データを再解析し、従来の方法では見逃されていた約150万件の天体を新たに発見したことが報告されました。特定された天体には、宇宙塵に遮られたクエーサー・超新星・変光星などが含まれています。
研究チームによると、NEOWISEのデータは当初から公開されていたものの、データ量の膨大さから完全な解析が進んでいませんでした。VARnetは従来の統計的フィルタリングでは除去されがちだった「変光パターン」を効率的に抽出することで、暗く小さい天体や塵の影響を強く受けた天体の検出精度を飛躍的に向上させました。今回の150万件という発見数は、単一プロジェクトにおける宇宙サーベイの成果としては史上最大規模とされています。
科学・宇宙クラスタのXユーザーからは「AIが天文学を根本から変えている」という興奮したコメントが多数寄せられ、天文学者だけでなくAI研究者の間でも大きな注目を集めました。r/scienceでは「150万天体の発見は天文学史上最大級の成果」として高評価を受け、宇宙物理学者による詳しい解説コメントがスレッドの上位を占めています。Hacker Newsでは、どのようなウェーブレット基底が使われたか、ニューラルネットのアーキテクチャはどんな構成かなど、データ処理手法の技術的詳細を求めるコメントが活発に展開されました。
天文学においてAIが担う役割は年々拡大しており、SKA(次世代電波望遠鏡)やルービン観測所(LSST)が稼働すれば、今後10年で生成される天文データはさらに数桁増加します。VARnetのような手法は、人間の目が追いきれないデータの海から宇宙の謎を解き明かすための不可欠なツールとなりそうです。