欧州連合(EU)のAI規制法「EU AI法(AI Act)」の第2フェーズが2026年5月より正式に施行されました。今回の施行対象は汎用AIモデル(GPAI:General Purpose AI Model)で、開発企業に対して技術文書の提出・透明性の確保・著作権遵守義務が新たに課されます。OpenAI、Anthropic、Googleはすでにコンプライアンス体制の整備を進めています。
EU AI法は2024年に可決・発効した世界初の包括的AI規制で、リスクレベルに応じた段階的な義務付けを採用しています。第1フェーズでは禁止AIシステム(社会的スコアリング等)への対応が求められましたが、今回の第2フェーズではGPT-5やClaude Opus、Geminiといった大規模言語モデル(LLM)を提供する企業が直接の規制対象となります。具体的には、モデルの学習データの概要・能力の評価結果・既知のリスクに関する技術文書をEUの規制当局であるAI Officeに提出する義務が生じます。さらに、著作権保護コンテンツを学習データに使用した場合の透明性確保も求められ、欧州メディア・出版業界との関係に影響を与える可能性があります。
X(旧Twitter)では「EU規制の本格施行でAI企業のコンプライアンスコストが急増する」との見通しが広がっています。r/MachineLearningでは「規制対応が開発リソースを圧迫する懸念がある。研究スピードへの影響は避けられないのでは」という声も上がっており、特に規制対応チームを持たない中小規模の開発者への影響を懸念する議論が活発です。Hacker Newsでは「EU AI法が産業標準化の契機になるか、あるいは革新の阻害要因となるか」をめぐって意見が二分しており、規制の長期的影響についての議論が続いています。
EUはAI規制において世界的なリード役を担っており、今回の施行は米国・日本・英国など他地域の規制議論にも影響を与えることが予想されます。コンプライアンスコストが増大する一方で、透明性の向上はユーザーの信頼獲得につながるとの見方もあります。AI企業にとっては規制対応が競争力の一要素となる時代が本格的に到来したといえます。