研究チームはAIシステム「VARnet」を活用してNASAのNEOWISEミッション(2009〜2024年に運用された赤外線宇宙望遠鏡)が収集した200テラバイトのデータを再解析し、これまで見落とされていた約150万個の未知天体を新たに発見したと発表しました。発見された天体にはクェーサー(活動銀河核)・超新星・変光星などが含まれており、AI駆動の科学的発見の新たな事例として注目を集めています。
NEOWISEは当初、地球に接近する小惑星や彗星の追跡を主目的に設計された赤外線宇宙望遠鏡です。しかし15年以上にわたる観測で蓄積された200TBの膨大なデータには、目的外の天体情報も大量に含まれており、人手による解析には限界がありました。VARnetはディープラーニングを用いた変光天体(時間とともに明るさが変化する天体)の検出に特化したシステムで、赤外線データに特有のノイズパターンを学習済みの識別器で処理することで、ダスト雲に隠れていた天体のシグナルを抽出することに成功しました。150万個という数字は、従来の手動カタログに比べて桁違いのスケールです。この研究は「既存データの再分析」という科学アプローチの価値を示しており、NEOWISEに限らず他のアーカイブデータへの応用も期待されています。
X(旧Twitter)では「AIによる科学的発見の加速は天文学のゲームチェンジャーだ」という反応が広がっています。r/astronomyでは「これまで見落とされていた宇宙の謎が次々と解き明かされる可能性がある」と期待の声が上がっており、アマチュア天文学者を含む多くの関心が寄せられています。Hacker Newsでは「ビッグデータ+AIという方程式が科学的革新として成立したことを示す象徴的な成果」との評価が多く、他の科学分野への波及効果を論じる議論も盛んです。
天文学における大規模データの解析はかつて人間の目とコンピュータによる統計処理が頼りでしたが、AIの登場でその限界が大きく押し広げられています。過去に観測されたデータの中に未発見の科学的知見が眠っているという認識が広まれば、アーカイブデータを対象にしたAI解析プロジェクトが天文学・気象学・生物学など多くの分野で加速することが予想されます。