米コロラド州が先駆的に制定したAI差別禁止法(SB24-205)が、施行直前に連邦裁判所の執行差止命令によって事実上凍結されました。州議会はこれを受けて代替法案(SB26-189)を可決し、規制の範囲を大幅に縮小した上で2027年1月の施行を目指す方針です。アメリカ初の包括的州レベルAI規制として注目されていた同法の頓挫は、AI政策の行方を左右する重要な前例となっています。
SB24-205は雇用・住宅・金融など高リスク分野でのAI利用に対して差別防止義務を課す内容で、EU AI法に次ぐ厳格さとして世界的に注目されていました。X上では「連邦レベルの規制が遅れる中、州規制も機能しないとなるとAI規制の空白地帯が拡大する」という懸念の声が相次ぎました。連邦裁判所の差止命令の背景には、州法が連邦規制の先取りに当たるかという憲法上の争いがあるとみられています。
r/legaladviceとr/technologyでは「AI企業のロビー活動が州議会に影響したのか。施行直前の骨抜きは問題だ」という批判が展開される一方、Hacker Newsでは「規制の内容よりも施行直前の凍結という手続きの問題を指摘する法学者の声が注目を集めました。予測可能性のない規制環境はAI企業にとっても計画が立てにくく、長期的には規制側にとっても不利益になり得ます。
代替法案SB26-189の詳細はまだ精査が必要ですが、規制範囲の縮小は企業側への配慮と見ることができます。AI規制を巡る米国内の動向は、EUのAI法との比較においても重要であり、連邦レベルでの包括的AI立法が遅れる中で州法がどこまで機能できるかという問いに対する一つの答えが、コロラド州の事例から見えてきます。2027年1月の代替法施行までの間、実質的な規制空白期間が続くことになります。