← 2026-06-03
Research Community 2026-06-03 Source →

MicrosoftがMajorana 2量子チップを発表——量子ビット信頼性を前世代比1,000倍に向上、実用量子コンピュータの目標を2029年に前倒し

MicrosoftがBuild 2026にてMajorana 2量子チップを発表しました。量子ビット(qubit)の信頼性が前世代のMajorana 1比で1,000倍に向上し、量子状態の保持時間(コヒーレンス時間)が最大1分超を達成したとしています。実用的な量子コンピュータの完成目標も当初計画から半分に短縮し、2029年としました。材料面ではアルミからリードへの変更が行われており、技術的な進歩の裏付けとして注目されています。

Majorana 2は、トポロジカル量子ビット(Topological Qubit)と呼ばれるアプローチを採用しています。通常の量子ビットは環境ノイズに極めて敏感で、エラー補正のために膨大な物理量子ビットを必要としますが、トポロジカル量子ビットはノイズへの耐性が高く、より少ない物理量子ビットで実用的な計算が可能になるとされています。1,000倍の信頼性向上と1分超のコヒーレンス時間は、量子誤り訂正(Quantum Error Correction)を現実的なものにする重要な節目とMicrosoftは位置づけています。

一方でコミュニティの反応は慎重です。X上では「1,000倍の信頼性向上は本物ならゲームチェンジャー」という期待と、「前年のトポロジカル量子ビット主張を巡る論争がある中での発表」という懐疑が混在しています。Hacker Newsでは「2029年目標は野心的すぎる」との冷静な指摘が見られ、材料変更(アルミ→リード)を「技術的に興味深い」と評価する専門家コメントも存在します。r/QuantumComputingでは「Majorana 1の主張を巡るScience誌の撤回問題がまだ解決していない」と過去の経緯を踏まえた慎重な議論が行われており、Microsoftの量子コンピューティング主張には一定の割引率をもって見る向きが少なくありません。

量子コンピュータが実用化された際にRSA暗号などの現代暗号が脅威にさらされる「Q-Day」問題は、AI時代のセキュリティ政策においても重要課題です。Microsoftが2029年という具体的な目標を掲げた以上、競合するGoogleやIBMの量子コンピューティング開発にも拍車がかかると予想され、今後の独立した第三者検証の結果が注目されます。

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