Microsoftは2026年6月2日のMicrosoft Build 2026において、OpenAIのデータを一切使用しない初の自社製推論モデル「MAI-Thinking-1」と、50億パラメータのコーディング特化モデル「MAI-Code-1-Flash」を発表した。同日よりMAI-Code-1-FlashをGitHub Copilotの全プランに展開開始しており、OpenAI依存脱却に向けた戦略的な転換点となっている。
TechTimesの報道によると、MAI-Thinking-1はスパース混合エキスパート(Mixture-of-Experts)アーキテクチャを採用し、アクティブパラメータ数350億・コンテキスト窓256,000トークンを持つ。OpenAI・Anthropic・その他サードパーティモデルからの知識蒸留(ディスティレーション)を行わず、商用ライセンスデータのみでMicrosoftが自社でエンドツーエンドに学習させた点が特徴だ。一方、MAI-Code-1-Flashはコーディングタスクに特化した50億パラメータのコンパクトモデルで、6月2日から全GitHub Copilotユーザーへの展開が開始された。さらに「Project Polaris」という社内プロジェクトのもと、8月からはGitHub CopilotのデフォルトエンジンとしてGPT-4 Turboを置き換える計画も明らかになっており、これによりMicrosoftはフロンティア推論モデル・本番向けコーディングモデル・Copilotプラットフォームすべてを自社でコントロールする体制を確立することになる。なお、GitHub CopilotはOpenAIモデルのバックエンドも引き続きサポートするとしている。
「MicrosoftがOpenAIからの独立を宣言した」という見出しがX上で拡散し、開発者コミュニティからはCopilotへの統合を歓迎する声が相次いだ。r/LocalLLaMAでは「Claude Haiku 4.5を上回る性能でコスト効率が高い」との評価が注目を集め、HackerNewsでは「MicrosoftのOpenAI依存リスク分散戦略」として戦略的観点から活発な議論が展開された。
2025年末にMicrosoftがOpenAIとのパートナーシップを再交渉して以来、段階的に進んできた自社AI開発戦略がいよいよ本格展開に入った。自社モデルによってCopilotのコスト構造と技術的自律性を確保しながら、OpenAIとの協力関係も維持する「ハイブリッド戦略」が今後のMicrosoftのAI事業を形作っていきそうだ。