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Industry & Business Community 2026-06-08 Source →

トランプ大統領、AI大統領令に署名——商業リリース30日前の政府提出を任意要請、義務的ライセンスは明示的に禁止

トランプ大統領は2026年6月2日、「AIイノベーションと安全保障の推進(Promoting Advanced Artificial Intelligence Innovation and Security)」と題する大統領令に署名した。フロンティアAIモデルを商業リリースの30日前に政府へ任意で提出するよう求める枠組みを構築する一方、義務的なライセンス制度や事前審査は明示的に禁止しており、イノベーション推進と安全保障のバランスを取った内容となっている。

Mayer BrownやSidleyなど複数の法律事務所の分析によると、大統領令の核心は3つの柱からなる。第1に、財務省・国家サイバー局長・NSA・CISAが協力して30日以内に「AIサイバーセキュリティクリアリングハウス」を設立し、脆弱性スキャン・検証・パッチ配布を産業界と自発的に連携して行う。第2に、フロンティアモデル開発者が商業リリースの最大30日前に政府(信頼できるパートナー)へのアーリーアクセスを自発的に提供する枠組みを整備する。第3に、AIモデルの開発・公開・配布に対する義務的な政府ライセンス、事前承認、許可制度の導入を明示的に禁止する。当初の草案では提出期間が90日と設定されており、それをイーロン・マスク、マーク・ザッカーバーグ、データサイエンス顧問デイビッド・サックスらが反対ロビー活動によって30日に短縮させたと複数メディアが報じている。

X上ではマスク・ザッカーバーグ・サックスらの関与が波紋を呼び、批判と支持が入り混じった。r/artificialでは「任意参加では実効性がない」という批判と「義務的ライセンスを回避した点は評価できる」という見方が拮抗している。セキュリティ研究者はHackerNews上で「サイバーセキュリティクリアリングハウスの設立は良い第一歩だが、任意参加では骨抜きになりかねない」と懸念を示すコメントが多数見られた。

今回の大統領令は、バイデン政権のAI安全性に関する大統領令(2023年)以来の大きな政策転換とも評価されており、EU AI法の厳格な義務規制とは対照的に「民間主導・任意参加・イノベーション重視」という米国型アプローチを鮮明にした。今後、義務なしに企業がどれほど協力するかが実効性を左右するポイントとなりそうだ。

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