米連邦議員のジェイ・オバーノルテとロリ・トラハンが2026年6月4日、「The Great American Artificial Intelligence Act(大いなるアメリカンAI法)」の討議草案(269ページ)を公開しました。フロンティアAIモデルの開発・展開に関する州法を3年間先占(プリエンプション)する連邦統一規制を提案するもので、EUのAI規制法に対抗する米国版の包括的AI規制として注目を集めています。
草案の核心は、フロンティアモデル(大規模な計算資源を用いてトレーニングされた最先端AIシステム)に対する義務的な安全評価・報告要件と、それを連邦レベルで統一することで州ごとに異なる規制が乱立する状況を防ぐ点です。3年間の先占期間中、カリフォルニア州のSB1047のような独自州法は効力を失い、企業は単一の連邦基準への準拠のみを求められます。EUのAI規制法と比較するとリスクベースのアプローチを採りながらも、産業の成長と国際競争力を意識した設計になっているとの分析があります。
Hacker Newsでは「州法の先占は連邦政府の介入強化を意味する。AI産業の成長を阻害する規制になるか、それとも標準化による恩恵をもたらすか」と賛否が割れました。r/MachineLearningでは「グローバル競争を意識した産業寄りの設計」という評価が高評価を受け、X上では「AIスタートアップ創業者が震えている。コンプライアンスコストが急増する可能性」という起業家コミュニティからの懸念が拡散しています。
269ページの草案はあくまで「討議草案」であり、議会での審議・修正を経て最終形が決まります。米国が連邦統一AI規制を成立させれば、日本やアジア各国の規制動向にも影響を与える可能性があり、今後の立法プロセスを注視する必要があります。