Microsoftは2026年6月2日、Build 2026カンファレンスで自社開発AIモデルファミリー「MAI(Microsoft AI)」7種を発表しました。旗艦推論モデル「MAI-Thinking-1」は35Bのアクティブパラメータ数とMoE(Mixture of Experts、混合専門家モデル)アーキテクチャを採用し、数学オリンピックレベルの難問を集めたAIME 2026で94.5%を達成。音声エージェント向けの「Voice-2-Flash」、画像生成の「MAI-Image-2.5」なども含まれており、OpenAIへの依存低減と開発者コストの削減を明確に打ち出したラインナップとなっています。
Microsoftはこれまで100億ドル規模の投資を通じてOpenAIとの密接な関係を築き、AzureでOpenAIモデルを展開することを成長エンジンとしてきました。今回のMAIファミリー発表はその構造を明確に変えるシグナルです。X上では「MSがついにOpenAIからの独立を始めた」という見方が広がり、両社の関係変化に注目するコメントが多数投稿されました。Hacker Newsでは「100億ドル以上投資しながら独自モデルを作るのは戦略的矛盾」という分析と、「競争によるユーザーへのメリット」を主張する反論が拮抗しています。
r/Microsoftでは「Azure上での実用的な性能」と「OpenAIモデルとの比較」について詳細な検証スレッドが上位に並んでいます。
MAI-Thinking-1が採用するMoEアーキテクチャは、全パラメータを毎回使わず「専門家モデル」を動的に選択して使用することで、大規模なパラメータ数でも推論コストを抑えられます。35Bのアクティブパラメータという数字は総パラメータ数よりも低く設計されており、AzureのAPIコスト削減につながる設計です。AI機能のコスト問題が企業導入の障壁となっている現状において、MicrosoftがOpenAIモデルより安価な自社モデルを提供できるようになれば、Azure利用企業の選択肢は大きく広がることになります。