← 2026-06-12
AI Security Community 2026-06-12 Source →

OpenAIが中国系影響工作を摘発——ChatGPTで米国内AIデータセンター反対世論を操作、2キャンペーンのアカウント凍結

OpenAIは2026年6月11日、中国を拠点とする疑いのある組織がChatGPTを利用して米国内のAIデータセンター建設への反対世論を操作しようとしていたことを公表し、関連アカウントを凍結したと発表しました。「Data Center Bandwagon(データセンター便乗)」と「Tech and Tariffs(技術と関税)」と名付けられた2つのキャンペーンが特定されており、AIを活用した偽情報工作の具体的事例として各国政府機関が注目しています。

Axiosの報道によると、「Data Center Bandwagon」では中国政府系請負業者と関連するとみられるユーザーがChatGPTに電力網の容量や電力料金についてのコミック風コンテンツを作成させ、架空のアメリカ人アカウントを通じてXに投稿、正規のデータセンター電力消費に関するニュース記事へのリンクとともに拡散させていました。「Tech and Tariffs」はトランプ政権の関税政策とアメリカのテクノロジー覇権を批判するコンテンツや政治漫画を生成するものでした。OpenAIは両キャンペーンともVPNと偽アメリカ人ペルソナを使用していたと指摘していますが、実際のオンライン影響は限定的で「意味ある影響を与えた証拠はない」としています。

「AIが自らAI反対世論を作るという皮肉な構図だ」というコメントがX上で拡散し、地政学的AI競争の文脈で米中対立を分析する投稿が相次いでいます。一方でGizmodoはこの発表が「AIデータセンター反対運動を中国のスパイ工作とレッテル貼りしたい共和党の動きに燃料を追加している」と批判的に報じており、r/geopoliticsでは「正当なデータセンター反対意見と影響工作の見分け方」についての議論とOpenAIの証拠透明性を求める声が高まっています。TechSpotはさらに踏み込んで「中国系アカウントが使った事実は本当のこと」と指摘し、影響工作とファクトの境界の複雑さも論じています。

この事例はAIが偽情報工作のコスト・スケール障壁を劇的に引き下げることを改めて示しており、国家ぐるみの情報戦においてLLMが利用される時代の到来を告げています。各国のサイバーセキュリティ当局はAIを活用した影響工作の検知・対応体制の整備を急いでおり、OpenAI自身がプラットフォームとしての政治的コンテンツ判断に果たす役割についても問われ始めています。

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