OpenAIは2026年6月4日、ChatGPTに「Dreaming V3」と呼ばれる新世代メモリシステムの展開を開始しました。従来のメモリ機能が明示的な「記憶してください」という指示を必要としていたのに対し、Dreaming V3は全会話履歴から自動的にコンテキストを抽出・統合し、ユーザーの嗜好・予定・過去の出来事を継続的に保持します。まずPlus・Proユーザーへの提供が始まっており、事実想起精度82.8%、嗜好適合率71.3%を達成したとOpenAIは発表しています。
OpenAIによると、Dreaming V3は従来のメモリシステムと比べておよそ5倍の精度向上を実現しています。GMail連携による予定・メール内容の統合も将来の機能として示唆されており、単なるチャットボットを超えたパーソナルアシスタントとしての役割強化を目指す方向性が明確です。技術的には全会話のサマリーを動的に更新する仕組みとされていますが、モデルの内部実装の詳細は公開されていません。
X(旧Twitter)ではプライバシーへの懸念を示すツイートが急増し、「全会話履歴を学習するのは不気味」という声と「ようやくパーソナライズが実用的になった」という歓迎の声が拮抗しています。r/ChatGPTではGmail連携予定への注目とともに、メモリのオプトアウト方法を共有するスレッドが上位に入りました。Hacker Newsでは「監査ログが制限されている点が最大の問題」として、AI記憶管理における透明性の欠如を問う批判的な議論が展開されています。
ChatGPTのメモリ機能は、AI個人アシスタントの実用性を大きく左右する機能です。精度82.8%という数値は印象的ですが、誤った情報が記憶され続けるリスクや、データがどう扱われるかの透明性は今後の課題として残ります。ユーザーがAIに「覚えてほしいこと」と「覚えてほしくないこと」を細かくコントロールできる仕組みの整備が、普及の鍵となりそうです。