コロラド州は2026年5月14日、AI法(Colorado Artificial Intelligence Act、CAIA)を大幅に改正するSB 189に知事が署名し、施行を当初の2026年6月30日から2027年1月1日に延期しました。同時に、リスク管理プログラムや年次影響評価といった主要義務を削除し、通知・透明性を中心とした簡素なフレームワークに改訂。連邦裁判所が執行停止を命じていた事情もあり、業界ロビー活動が規制内容を実質的に骨抜きにしたとの見方も出ています。
改正前のCAIAは「高リスクAI」の開発者・利用企業に対して、リスク評価・年次監査・影響報告など重い義務を課す米国初の包括的なAI規制として注目されていました。しかし施行前に連邦裁判所が執行停止を命じ、議会も企業側の圧力を受けて改正に踏み切った形です。改正後の枠組みは「AIを使った決定について消費者への通知」「高リスクシステムの透明性確保」が中心で、当初案と比べてエンタープライズへの負担は大幅に軽減されました。
X(旧Twitter)では弁護士・法律専門家の間で「業界ロビー活動が効果を発揮した典型例」との批判と、「厳しすぎる規制は産業競争力を損なう」との評価が拮抗しました。r/legaladviceでは「コロラドは結局何を規制したいのか方向性が見えない」と混乱を指摘するコメントが多く、規制アプローチの一貫性のなさへの批判が広がっています。Hacker Newsでは「EUのAI法施行と比較するとアメリカの規制は実効性が薄い」という国際比較の分析が支持を集め、連邦統一規制の必要性を訴える声が強まっています。
ニューヨーク州が同時期に複数の強力な法案を可決したのとは対照的な展開で、米国内での州ごとのアプローチの格差が浮き彫りになりました。2027年1月の施行を前に、コロラド州がさらなる規制緩和に動くのか、それとも透明性義務の実効性確保に舵を切るのか、引き続き注目が必要です。