中国のAIスタートアップMiniMaxは2026年6月1日、新モデル「M3」を公開しました。100万トークンのコンテキストウィンドウをオープンウェイト(重みパラメータが公開)で実現した世界初のモデルであり、独自開発の「MiniMax Sparse Attention(MSA)」機構による高速推論を特徴とします。コーディング能力を測るベンチマーク「SWE-Bench Pro」ではオープンウェイトモデル部門で59.0%を達成し、現時点のトップとなりました。
MiniMaxによると、MSAはトークン数が増加しても推論速度の低下を抑える設計で、実用的な100万コンテキスト処理を可能にしています。HuggingFaceでの完全公開とファインチューニング対応も予定されており、企業・研究者が自前の用途に合わせてカスタマイズできるようになる見通しです。訓練コードについては現時点で非公開とされており、この点は透明性を求める声から批判も上がっています。
AIエンジニアの間では「SWE-Bench 59%はClaude Fable 5に匹敵する」との指摘が広まり、オープンウェイトモデルがクローズドモデルと肩を並べつつあるトレンドを示す事例として注目されています。r/LocalLLaMAでは「100万コンテキストを実用速度で動かせるのは革命的」との高評価が相次ぎ、ローカル実行に必要なVRAM量や量子化オプションについての技術的議論が活発です。Hacker Newsでは「中国発オープンウェイトモデルがコーディングベンチマークでフロンティアに迫る」と驚きの声が上がりつつ、「訓練コードを非公開にしている以上、本当にオープンソースといえるのか」という問いも提起されています。
MiniMax M3は、クローズドモデルが支配してきた大コンテキスト高性能領域にオープンウェイトモデルが本格参入したことを示す一例です。QwenやLlamaシリーズと並び、中国発オープンソースLLMの競争は一段と激しさを増しており、グローバルなオープンソースAIエコシステムの地図を塗り替えつつあります。