Anthropicは2026年6月9日にClaude Fable 5を発表しました。「常時オンのアダプティブ思考(Adaptive Thinking)」機能、100万トークンのコンテキストウィンドウ、最大12.8万トークンの出力に対応し、ほぼ全ベンチマークで最高性能を記録した最強モデルとなっています。しかし米政府の輸出規制指令を受けてリリースからわずか3日後にアクセスが全面停止されるという異例の事態を迎えました。
アダプティブ思考とは、タスクの複雑さに応じてモデルが推論の深さを自動調節する機能です。従来の「推論モード」と「高速応答モード」の切り替えを手動で行う必要がなくなり、エージェンティックなタスクでの実行精度が大幅に向上したとAnthropicは述べています。価格は入力100万トークンあたり30ドルと高価格帯で設定されており、単純なタスクよりも長時間・高複雑度の処理を前提とした設計です。
X上ではAIエンジニアから「速度が遅く価格が高いが、困難なタスクをやり遂げる能力は明らかに向上している」という評価が目立ちました。Redditでは著名開発者のSimon Willison氏が「遅くて高価だが困難なタスクをやり遂げる」と評したコメントがコミュニティに広く引用されています。Hacker Newsでは「ベンチマーク過学習への疑念」と「長文エージェントワークフローでの確かな進化」を並立させる意見が交わされ、100万トークンコンテキストの実用的評価も議論されました。
Fable 5は「政府の命令で消えた史上最強モデル」という皮肉な形で記憶されることになりました。輸出規制解除後の再提供のスケジュールや、Mythos 5(より高性能とされる上位モデル)の動向が引き続き注目されます。